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会話多いなぁ・・・さぁ・・・クライマックスに・・・・入らない・・・・おかしいなぁ
※※※ 情報交換が終わり一時間と少し。俺と古鉄は転送石を使い転移していた。 「さぁて、どこについたかな」降りたった俺は周囲を見渡しながら言った 「魔王の城」冷ややかな言葉だった。 「…いや、それはわかる」 「なら聞かない、というかわたしは外を見て場所がわかって…あなたにむかつきました」その目線の先は俺の後ろの窓に向かっており…その意味を知った。 「結晶の森…」 「そう。つまり…最初から魔王ウィネアから逃げることはできなかったと…」 「…えっと…すみません」なぜか冷たい視線にさらされる俺を救ったのは憎らしい敵の声だった。 「そんな、彼を攻めないで!ここに私の居城があることは魔王でも知ってる人は少ないのよ。」俺をかばうような言葉を吐く魔王…だが今となっては裏にある感情が見え見えだった。 「腹黒い性格はもう隠さなくていいの?」 「あら?隠せてないかしら?うふふ、でもしょうがないわよね…だって私という存在が生まれたわけをを果たせる瞬間がきたのですから…」そういって静かに顔を上げたその顔は歓喜に歪んでいた。 「さ…て、それであなた達の返答は?」その言葉は騙し合いの合図 「…あの魔法は渡す。だからこのはちゃんを返せ。」懐からあの魔法を込めた結晶を俺は取り出す。 「うん。ちゃんと紫色に染まって…込められているのはあの魔法みたいね」 「っ…」古鉄が驚きに息を呑む。ここまでは俺の予想通りだったからだ。 「でも…あーあやっぱり返さなきゃだめか…このはちゃん。」 「はい…お母様。」音もなくこのはちゃんが現れる。だが、その目には何の光も灯らない…人形のようだ。 「あちらに歩いて行きなさい…」 「はい…」その命令に従い、音もなく歩いてくるこのはちゃん…だが 「待って。意識は?」 「どうして?返したわよ?意識の話なんて聞いてないわ」古鉄の叫びに対するのは悪いやつのおきまりのセリフ…そして 「契約成立!結晶よ…きなさい」このはちゃんが俺の目の前に立った瞬間、“契約成立”という言葉によって、俺の手の中にあった記憶結晶がウィネスの手に収まっていた。 「はは…手に入れた。とうとう手に入れた…これでわたしの世界が始められる…さぁ“暴走する奇跡”よ!わたしのものに…」哄笑をあげ記憶結晶を掲げたウィネスが動きを止めた。 「ちっ、気づいたか」 「貴様…知っていたの?」その目は今までのバカにするような目ではなかった、そう…敵を見る目に変わっていた。 「記憶結晶には二つの使い方がある。一つは記憶や魔法を込めることで、込めたものの中からその記憶や魔法がなくなり、解放したものはその記憶や魔法を得ると言うもの…もう一つは…込める所までは同じだが、その魔法は」 「砕くことでしか使えず、その魔法は消える…」その暗く沈んだ声とともに放たれたのは凶悪な殺気だった。だがそれもすぐに霧散する。 「ふぅ…いいわ、一度しか使えなくたって…わたしの世界を作れることに変わりはない…でも、ペナルティよ…わたしの世界にあなたは創ってあげない…だから…そこで終わりの瞬間を眺めていなさい 」そう言って魔王は、世界を滅ぼす詠を詠み始めた。 -それでは始めましょう あらたな世界の創造を - 詠が響き始めたと同時に俺は静かに目をつぶった…本当の賭はここからだからだ。 俺は暴走するように収縮する心臓を押さえ…息を吸った。 ※※※ 「さて…始まったみたいね」 「なにが?」私の問いに母は答えず、頭を撫でてきた。 「このはちゃん…あなたにとって大事な瞬間よ。目を閉じて耳をすましなさい」その言葉に従い耳をすます… (このはちゃん、聞こえるかい?) 「え?」耳に届いたのはファルツの声だった。 (まぁ…返事はできないだろうから聞こえてると仮定して続けるよ…) ファルツの言葉は続く…そして瞼の裏には私に近づいてくるファルツの姿が見えた。 「これは…」 「やっぱり、愛の力は偉大よねぇ…私の時もそうだったけど」 (えっと、こういうときなんて言えばいいのかな…そうだな、単刀直入に言うよ)吸血鬼特有の白い肌が真っ赤に染まっていた。たぶん私も同じ位紅くなってると思う。その真っ赤なファルツが“私”の肩に手を置いた。 (俺はこのはちゃんの事が好きだ!) その言葉を聞いて私はすごく嬉しかった、だけど悔しかった…それを私じゃない“私”が聞いていることも、ファルツに飛びついていけないことも。 「私も…私も好きなの、大好きなの…」この思いを伝えたくてたまらなかった。どうして、私はここにいなきゃいけないのか…あれ?何で私、諦めていたの? 「私はファルツと話したい。触れたい。一緒にいたい。」世界を救うとかそんな大層なことじゃない…私はファルツと一分一秒でも一緒にいたいだけなんだ。 「ふふ、やっとわがままになった。はいはい、ママさんはいつだってどんな貴方でも味方よ。そう貴方だけのね。だから、さっさと好きな男にくっついてきなさい。」その笑みはとても綺麗だった。そしてやっと気づいた。 「うん…お母さん…さよなら」 (私は“私”も自分だと思ってた…でも違う…ファルツも古鉄もお母さんも、“私”に少しもあげたりしたくない…なんだ、私すごい我儘だ…) 「だから、私の体…返してもらう!」その決意とともに私は今の姿になっていた。そして、私から吹き出すプラーナは世界を染め上げた。そして私は、とりあえずキスをしようとしているファルツを押し止めた。 「ファルツ…なんで“私”にキスしようてしてるの?」 「え…いや…このはちゃんを戻すために必要かな…と…ほらやっぱりお姫様の目覚めはキスかな…なんて」しどろもどろになるファルツを見て、私は微笑んだ。 「もう大丈夫。あと、まだ私は操られてる振りをするね。それで…」その続きをしゃべることはできなかった。 -火は世界に力をもたらし、闇を払う- 私の体から溢れ出た紅いプラーナ。 「ふふふ、これで六つあと一つで世界は私のものに…」ウィネスの体から溢れる白・青・黒・灰・金の5つの色をしたプラーナ。 そして、私からでる紅、足りないのは風の属性を示す緑のプラーナだけ…この魔王がこの魔法を完成するとき世界の再創造が行われる、その最後の力を私は持っていた、だけど…私から溢れるこの紅いプラーナは私のものではなかった。 「これで終わり」 -風は世界を動かす歯車となる そして世界は変わる- その言葉とともに記憶結晶が割られる…だけど、それだけだった。世界は滅びもせず、再生もされない…そう、失敗だった。 「…どういうこと?どうしてこのはちゃんから風の力が出てないの?火は出たじゃない!?」狼狽する魔王。だが、私達に原因を答えることはできなかった、だって私たちもわからないから。いや、ファルツはある程度なら推測しているかもしれない。でも・・・辺りに響いた魔王と同じ声が答えを言った。 「簡単よ…このはちゃんはもう貴方から解放されているの。だから、あの力はわたしのもの。私は火の力しか持ってないもの風の力は出せないわね。だから七つの属性を必要とする“望み見る幻”は無駄に終わるのは当たり前…ああ、そうそう、あの“暴走する奇跡”はわたしが人として復活するために使わせてもらったわ。そこは元が同じ存在であったことの強みよね」そう…そこに立っていたのは初音お母さんだった。 「う、いね…」 「お母さん?へ?え?」 「「お母さん!?」」 「はーい、ママさん復活でーす。」 4者4様の驚愕に手を上げて答えるその女性は、幻でも魂だけでもない、肉体を持った初音お母さんだった。 「掛け金が“わたし”な賭には全部成功したみたいね。」にこやかな笑みを浮かべる母を見て、私は微妙な気分だった。さっきの別れは何だったんだろう。だけど、それ以上の衝撃を受けていたのは対峙する魔王だった。 「そう…そういうこと…あなたがすべて裏で糸を引いていたの」 「まぁ、いくつかはね。でも、この結果をもたらしたのは愛よ、愛」勝ち誇ったようにお母さんは言う。正直恥ずかしい…だけど否定をする気は私達にはなかった。 「なにが…なにが愛よ。貴方が愛し、愛された男は消えたわよ?その愛が原因で」 「そうね…あの」 「私が世界を創造したら貴方もあの男も蘇らせてあげようと思ってたのよ。世界結界なんかない、過酷な運命を背負わない世界で!なのに…なんで…」その言葉は嘆きだった。身勝手な…そう身勝手な思い。だけどそこにはお母さんへの愛を確かに感じた。だけど… 「もう…いい…なんでわたしは貴方達は救おうだなんて思っていたのかしら…こんなバカ達を」次の瞬間、気配が180度変わった。魔王に流れ込む魔力、そして溢れ出す圧倒的な障気が世界を紅く染めあげた。 「さっきまでと強さが…くそっ」 「違う…古鉄っ」 「はい!あるじ様」とっさに放った、古鉄の銃弾とファルツの闇は飲み込まれた。 「「なっ」」 「今は無駄よ…あの本体の解放中は、すべての攻撃がプラーナとなって吸収される」 「本体?そんな馬鹿な!?ここはラビリンスシティ、裏界よりは強い力を出せますが、本体が来ることはできないはず」ファルツが言っているとおり、魔王は裏界から出てこれないはず…だけど、ずっと引っかかってる点があった。それは先ほどの光景・・・なぜ、一つの体で5つの属性を使えていたのか? 「さて…どこから説明すべきかしら…そうね…簡単に言うなら、ウィネスは写し身という着ぐるみを本体が着ているの。」その疑問はこの言葉で理解した。
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