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滝を流れ落ちたことのある管理人の妄想と勝手な思いを語るブログ。作品のネタバレ多数あるので注意が必要。3月8日作成
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 やっとクライマックス突入です!
 長かった・・・ちなみにボスはマジで用意・・・プレイヤーのときに出されたら、確実にマジ切れするデータ用意させていただきました。

 

「つまり…」

「本体は精神体で、本体とは違った属性を持つ写し身の肉体にはいることで、虹色の才を持つ本体で3つ、肉体の属性で二つ、併せて5つ使えると…ついでに言えば、それによって世界結界や、ラビリンスシティの結界すらだませる…ということか。なるほど、だから魔法をすべて記憶できる容量が確保されるわけか」ファルツが忌々しげに言葉をつないだ。

「…それで今の状況は?」私が魔力の暴風の中心を睨みつけながら尋ねる。

「本体を完全に解放してるのよ…逆に言えば」そういってお母さんは言葉を止めて笑う。

「なに?」

「あの魔王を倒すチャンスよ、このはちゃん」その言葉は私たちを信じきったものだった。

 

 

クライマックス魔の宴

 

「軽く言う…」

「でも、ホントの意味で勝つにはそれしかない」

「あるじ様達は負けません」覚悟は決まった…道は一つみたいだから覚悟するしかないともいえるけど。

「うん…それじゃあ、三人ともがんばってね」そう言うとお母さんの存在が薄れ始めた。

「え?」

「あー、やっぱり。人として復活してもやっぱり駄目か。同存在ってめんどくさいわねぇ」力無く笑うお母さんに、私は振り向かずに尋ねる。

「今度こそ、“さよなら?”」

「どうかなぁ?私はしぶといよ。」その声はあきらめてなんかいなかった。

「じゃあ…あとでね」だから、私も信じる…お母さんの言葉を。

「そんな…このはちゃんいいの?」

「いいのよ。あ、ファルツくん…娘をよろしくお願いします。泣かせたら…悠久の時を使って苦しんでもらいます」

「え゛?」そんな言葉を残し、お母さんの存在が完全に消えた。

「…すごいお母さんだったね。」

「そうですね、だからお母さんは帰ってきます…それはそうと」渦巻く魔力が収まり始める…戦いは近いみたいだ。だけど一つだけ、ファルツに伝えていないことがあった。

「ん?なんだい?」

「この戦いが終わったら、告白からやり直してください。」

「へ?そ…それは…」慌てるファルツ。そんな彼に笑いかけながら話を続ける。

「だって、あの告白は私じゃなくて“私”に言ってたでしょ。だからダメです」

「…わ、わかったよ。」

「でも…先に返事しておきます」

「え?」顔を伏せたファルツの唇に私の唇を重ねる…そんな可愛い不意打ち。

「ん…」不意打ちでキス…我ながら恥ずかしいことをしている。だけど、その行為は力が溢れてくるような気がした。

(なるほど…キスってこんな気持ちいいんだ。)

「ぷは」苦しくなるくらい長いキスだった。たぶん、今私はよくわからないくらい幸せだった。だから…

「さて、そろそろ…始めましょうか」もう、負ける気がしなかった。

「人がなにも言えないのをいいことに…勝手なことを言うな」魔力の風が収まろうとしていた。

「私たちに倒されるための変身は終わりましたか、魔王ウィネス?」そこに立っていたのは漆黒のドレスを纏ったウィネスだった。

「さて…死ぬ準備はいいかしらウィザード達」その目に灯るのは暗き憎悪…さっきまでの私ならその目に負けていたかもしれない。でも…

「いいえ。全くできていません…できているのはあなたの魂に撃ち込む弾丸位です。」

「そうだね…むしろ終わるまでにもう一回告白のセリフを考えるのが大変かな」私たちは軽くうそぶく。魔王を打ち砕くため…未来を刻むために。

「そう…ウィザードはいつもそう…わたしをイライラさせる…さっさと死になさいよっ、あんた達はわたしに恐怖の顔を見せて死ねばいいのよ。わたしの邪魔をするなぁぁぁ」

「それはこっちの台詞っ。」

「ふん…ベルが用意したあの程度の浸魔に苦戦してた貴方達が…わたしに勝てるわけないでしょ…」

「っ」見られていた…そんな驚きと供に感じたのは“好都合”の三文字。

(あれを本気だと思ってるなら…ちょうどいい)

「はは…なら、これくらいじゃ無駄かな?」笑いを浮かべたファルツが指を鳴らすと

「来い、“裏切りの天使(イヴリース)”」轟音とともに月匣を越え一体のB-Kが降り立った。

「ブルーム…ナイト…」私はかけのぼるようにコックピットに座るファルツ。

「そんな虚仮威しは…無駄よ!」

それが戦いの始まりになった。

 

三者から溢れるプラーナ、それは私達に限界を越えた速さを生み出していた。

「古鉄っ、完全解放っ」古鉄にプラーナを注ぎ古鉄の白き輝きが強くなり

「“光よ宿れ”」イヴリースから舞ちた羽の一枚が古鉄に吸い込まれるように消えた。

「威力の増加…そんな意味がないこと…なに?」戦いが始まったからも無駄口をたたく魔王を黙らせたのは私から溢れる魔力…私には扱えないはずの魔法…お母さんが教えてくれた魔法。

魂を駆けし灼熱の息吹 母なる優しき風の中で 死という始まりの形となせ”

「ガンズオブブレイズっ」

私の体内から溢れ出た魔力が一丁の紅い銃の形になる。

「そんな、さっきまでは使えなかったはず」私の中に入ったからこそ言える台詞。だけど今となってはおかしかった。

「ええ、さっき覚えましたから」そういいながら私はスイッチを入れる…“殺す”ためではなく“護る”ために。

「魔力水晶弾装填…フルファイア」水晶弾に炎と虚無が混じりあう。私の命をも注ぎ込まれた、その一撃は避けると言う動作もできない魔王に吸い込まれた。

着弾とともに爆炎と虚無が吹き荒れる。

だが、その土煙の中に浮かぶ影の手には星の輝き…そして輝きは太陽の輝きに変わる。

「星の輝きは儚い…だがその本当の輝きは太陽と同じっ。ディバィンコロナァァァ!」

土煙を吹き飛ばし迫りくる小太陽は当たれば確実に私とファルツを焼き尽くす熱量を持っていた。だけど…

「それは止める!」私はその太陽の下に潜り込んだ。

「吹き飛べ。」熱量に圧されながら放った砲撃は太陽を上に押し上げ、城の屋根を焼き貫き爆発した。

「初っぱなからディバィンコロナとはね。」ファルツの震えを押し殺した声が響く。

「あら?だって私にとっては切り札じゃないもの。」土煙が晴れた場所にたたずむのは傷一つない魔王の姿。

(ディバィンコロナより驚かされるのは、私の最大威力を受けてもダメージが無いこと…魔法が効かないのか、純粋な防御力なのか、属性的なものか…)

「確かめる。ファルツっ」

「わかってる。“我が闇よ貫け”」BKが宙に舞い、手が銃口に変化する。放たれた紅い闇は、光で書かれた魔法陣を通り抜けると圧縮され蝙蝠の形となり、魔王へ向かって羽ばたいた。

(どうなる?)

「無駄よ。」そうつぶやく魔王の前には幾重にも重なった障壁が生まれていた。

「なるほど…すべての魔法を操る…か」私の声はたぶん焦りに満ちていた。

だけど

「“効かない”じゃなく、“耐えられる”なら…それを超えればいいだけ」そう、私にできることは相手を貫くこと…そして逆転の手を考えるファルツに少しでも多くの情報を与えることだけ。

(他人任せね…でも、その道を作る助けはする。)

「古鉄っ。最大威力…私の命に遠慮せず。」

「は…はい。」

「撃ち抜けぇ」さっきよりも威力を増した幾重にも放たれた光の奔流がウィネスに迫り…障壁に阻まれる。

「無駄よ…その威力じゃ届かな…え?」

「ガンズ・オブ・ブレイズ…一点集中発射(ピンポイントショット)」(古鉄の銃弾で障壁は削れているはず…同じ場所を撃ち抜く)

「いけ、断罪の炎!」乱射された炎弾はすべて同じ場所に着弾し、障壁を削る。そしてそのうちの一発が大半の威力を失いながらも障壁を貫き、ウィネスに当たった。

「く…軽い火傷程度とはいえわたしにダメージを与えるなんてね。だけどいいの?そんなに命を捧げて?」

「…この程度じゃ終わらない」

「そう…俺が終わらせない“紅き血の羽よ舞い踊れ”」ファルツの声とともに血の色をした羽が舞い、私に降り注いだ。

(力に変えた生命力が戻ってくる…これはヒール?)

「俺がいる限り…このはちゃんは死なせない」

「ファルツ…ありがとう。」

(次は私の番…でも、さっき乱射したせいで、力が弱い…半端に命を注いでも意味がないし…ちょっと待って)さっきの私の攻撃で張られた障壁とファルツの攻撃で張られた障壁、威力が段違いなことは明らかなのに、張られた障壁の枚数は一緒だった。

つまり…一つの考えに至った私は踏み込みとともにウィネスに近づき、その勢いのまま、両手の武器から弾を吐き出す。

「なにを考えているか知らないけど…無駄よ」そういって展開された障壁は…私の命を込めていない攻撃をたやすく吹き散らせた。

(やっぱり…あの障壁はいくつもの魔法を重ねたものだけど、単品では使えない)その情報は一筋の光明だった。

「なに…その目は…勝てる方法が見つかった見たいな、その目は?」

「違う…勝てるの」笑いながら私は言う。

「貴様は本当に初音にそっくり…とても可愛いわ…存在ごとなかったことにしたいくらい…だけど、わたしは優しいから…死で許してあげる。落ちろ恒星…“スターフォールダウン”」

「く…ファルツっ」私の声は悲鳴に近かった。

遙か彼方から降り注ぐ星は的確に私とファルツと…城に向かっていた。

(だめ…私への攻撃は相殺できるけど、ファルツが…)

「大丈夫、このイヴリースをなめないでくれ…バリア展開っ」轟音とともに私たちに降り注いだ隕石は私たちとともに城をも破壊した。

 

※※※

 

(く…かっこいいこと言ったわりにはボロボロだな)

生温い液体で滑るコックピットの中で俺は霞む目を開けた。操縦するイヴリースの右手は失われ、足の駆動もままならない。だが…

(俺の脳が動くなら十分…)考えるべきことは、このはちゃんが勝つための道の作り方。

今魔王ウィネスを倒すために必要なのは、あの付与魔法たちをどうにかする方法。

だけど、俺とこのはちゃんに付与魔法を無効化する方法はない…だけど幾度の攻撃にさらされる中、一つだけ違和感があった。

それはなんだ?昔みた彼女の資料にはなにが書かれていた?

思い出せ、このはちゃんの期待に答えるために、そして未来を紡ぐために…脳が熱くなる。

(なんだ、これ?ありえない思考速度が働いてる…ああ…なるほど…さっきのキスの時か。はは、ここまで助けてもらっちゃって恥ずかしいな。)そんな自嘲。だけど、すべてはつながった。

※※※

「あらあら、先に城の方が壊れちゃった」その声で私は意識を取り戻す。一瞬気絶していたらしい。

廃墟と化した城、対峙するのは魔王。

(ファルツは…)

不安で押しつぶされそうになりながら、ファルツがいた方を見る。

「っ…」息を呑んだ。そこにあったのは右腕が失われ、オイルがまるで血のように流れでるBKだった。

「あなたは、無事みたいだけど…あなたの好きな人はどう…」

バシュン…

その先は冗談でも言わせるつもりはなかった。無言で撃ち放たれた光の奔流が張られた障壁に弾かれる。

「勝手なことを言うな」

「あら、ごめんなさい。でもここで死んでいた方が楽なのに…っと」

「…それはどうでしょう」気づいたのは偶然だった。壊れた城の破片をウィネスが避けたこと…つまり。

(今なら障壁を張れない?ならっ)

「私があなたを、今撃ち貫けばいいだけ」(さっきまでの半端な攻撃じゃない…ギリギリまで注ぐ)

「古鉄っ、いっ…」なぜか、ウィネスは笑っていた。その笑みに不安を感じながら、私は引き金を…

「まだだ」だが、その時響いたのは、ファルツの血を吐くような声だった。

「くっ…」引き金は止まらない。だけどとっさに命を注ぐ事はやめていた。そして放たれた奔流は

「ちぇっ」不満げな舌打ちとともに消えていた。

「なにが…」

「魔法力へのダメージに変換したんだ。そして無限に近い彼女の魔法力ならば…攻撃はほぼ無効になる」コックピットの装甲板を蹴り壊しながら血みどろのファルツが忌々しげに説明してくれた。

「あら、そこまでばれたの?そうよ。私の切り札。多重障壁が使えなくなる一瞬に発動する超☆魔法。」



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